バンフ滞在も5日目
この旅では移動ばかりを繰り返しているので、アラスカとロッキーはのんびりできた
移動ばかりが続くと、洗濯のタイミングの選択に気を使う
残りの下着の量と日程とを計算し、洗濯の日程を決める
洗濯予定の日の宿にランドリーがなかったりすると、結構キツイ
洗濯ミス、いや選択ミスとなる
その点5日も同じ街にいれば、のんびり洗濯し、調理し、ネットで情報収集し、快適な状態で出発できる
次の出発を明日に決めた
次は南下しいよいよアメリカに戻る
一時帰国の日程が迫る
途端にカナダが愛しくなる
カナダで丸1日活動できるのは今日が最後だ
早速山へ向かった
先日後輩ODAを連れてジャスパーまで走った時にロケハンを兼ねたので、今日のポイントは決めていた
バンフ国立公園にあるモスキートクリーク近くの西向きの斜面を狙う
バンフからは約1時間
天気は晴れ
雪は緩くなるが、晴れは晴れでやはり気分がいい
しばらく登るとシールが噛まないほどの急斜面になり、ズブズブ埋まる雪の斜面でアイゼンに履き替える
どうにか歩き出しても雪が緩くて足が沈む
岩も張り出してきたのでハイクを諦め、そこからドロップすることにした
登ってきた斜面を振り返る
岩盤層が縞状に入った尖った白い峰が、青空に輝いている
呼吸を整えながら、道路からとはまた違った景色に見とれる
リフトで上がった時と自力でハイクした時とでは、1本の滑りに対する熱意や愛着に大きな差が出る
時間をかけた上、リトライが効かないからだ
景色を堪能し、集中してから滑り出す
快感クルーズ |
登りでは雪が緩んでいると思ったが、スピードを出しエッジを入れていくと意外と噛まない
風で雪面が叩かれているのだろう
気を抜けばせっかくのハイクが台無しだ
慎重にエッジコントロールしながらスピードに乗る大きめのターンをする
面の向きや角度が少しでも変われば、雪面の感触は驚くほど変わる
バックカントリーではピステン(圧雪)がかかっていないので、その違いはより顕著だ
急斜面は少しのミスがバランスを崩す原因となる
弧を描けないほどの急斜面では板をスライドさせながらのターンとなるが、その時に山足を必要以上にたたむ
左右の足に落差を出すことによって、エッジを噛ませながら重心を保つことができる
ここで少しでも重心が板より谷側に落ちると、滑落してしまう
エッジの切り替えはよりシビアだ
岩が張った斜面での滑落は命に関わる
こういう緊迫した滑りのトレーニングは日本のゲレンデでは不可能
バックカントリーでもなかなかロケーションがなく難しい
ただ、レベルストークで散々急斜面をトレーニングしたので、今は感覚よくスムーズに降りてこれる
問題は、錆び付いた大腿筋だ
ボトムまで気持ち良く滑り降りると、顔と膝が同じくらい笑う
その午後、僕たちはレイクルイーズにいた
実はノルディックスキーをレンタルしてきていた
過去に先述した通り、欧米で一言でスキーと言えば一般的に二択
日本のゲレンデスキーであるダウンヒルスキーと
平地を歩くノルディックスキーを指す
そこまで人気であるノルディックスキーを試すべく、チャレンジしてみる
そもそも欧米諸国は日本よりも雪に閉ざされる土地が広いので、移動手段としてノルディックスキーが不可欠だった
自転車がスポーツへと昇華したのと同様、移動手段であるノルディックスキーもスポーツになったのだ
アイススケートシューズのようなブーツを履き、ダウンヒルよりはるかに軽くて細いスキーをツマ先だけセットする
ソール(滑走面)がウロコ状に刻まれており、体重をかけるとグリップする仕組みだ
片足に荷重しグリップさせ、蹴りだすと同時に両足に体重を分散させると板が滑る
それを左右交互に繰り返す
すぐに慣れ、レイクを一周した
雪道を歩くよりはるかに早くてラク
カカトが固定されておらず、計量重視でエッジもないので、少しでも下り斜度になると怖いものの、とても楽しい
人気なのもうなづける
ノルディックスキー |
走行距離146km
36日間累計走行距離11803km
【3/16 WED】
いよいよバンフ最後の日
どうしても滑りたい斜面があり、旅で予定する進行方向とは逆ながらも1時間逆走することにした
そこから歩いて1時間
ようやく狙った斜面のボトムに到着
バンフ周辺にはスキー場は3つ
8年ほど前にバンフに滞在しロッキーを滑っていたことがあったが、その時はまだまだ経験が浅く、ゲレンデだけだった
今は装備は充実し経験も増え、スキーの考え方が変わった
どこでも登って滑れるようになると、楽しみは無限になる
コンディションは天気次第ではなく、ある程度自分で選べるようになる
特にロッキーマウンテンなんて、少し走れば魅力的な斜面なんて腐るほどある
しかもロケーションが異常にキレイ
贅沢な山だ
滑るつもりもないのに、妻が撮影のためだけに着いてきてくれた
僕の活動に理解を示す妻には感謝だ
第一のロケーションはアイスクライミングでも有名なアイスフォールの目の前
氷の滝をバックにスプレーを飛ばす
第二のロケーションはこれぞロッキーという山並みを前にトラックを残す
木がタイトに生えている急斜面を狙ったが、雪の吹き溜まりだったので柔らかい雪が深く積もり、登りにかなり苦労した
かなりハードな登り |
バンフでやりたいことを満喫し、カナディアンロッキーの西側の玄関口の街キャンモアを経由してロッキーを離れる
オイルマネーで発展した街カルガリーを抜け、プレーリーと呼ばれる大平野へ出、アメリカ国境目指し南下
見渡す限りの地平線
旅の序盤、アメリカ中西部を走っていた時以来の光景だ
夕焼けで影が浮かび上がるロッキー山脈を右手に眺めながら、気が遠くなるくらい真っ直ぐ続く道を行く
黄昏るにはこの上ない情景に、カナダの日々を思い出さずにはいられない
何度来てもこの自然と人柄には魅了され続ける
カナダには心躍る経験が待っている
全てが詰まったバンフの街 |
走行距離844km
37日間累計距離12647km
違った目線と独特の感性でオモシロいです
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